あなたの会社に監査役や会計参与は本当に必要なのか?(中小企業経営者のための会社法入門!その3)

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このブログ記事は、2019年6月5日に改題・更新しました。

今回は、「会社の機関」について解説してみたいと思います。

なぜ、会社に機関が必要なのか?

考えてみると、会社そのものは人間ではないので、会社自身が意思決定をしたり、活動をしたりすることはできませんよね。

会社自身が意思決定をしたり、活動をすることはできません。

そこで、会社法では、会社内の一定の地位にある人やその集合体を「機関」と定め、機関の意思決定や活動を会社の意思決定や活動として取り扱う仕組みを用意しました。

ただ、「合名会社」「合資会社」「合同会社」からなる「持分会社」の場合には、社員(=従業員のことではなく、出資者のことです!)の数も少なく、又、原則として、それぞれの社員に会社代表権や業務執行権が与えられるため、機関の存在を意識する必要性はそれほどありません。

けれども、「株式会社」の場合には、「株式制度」 「間接有限責任制度」 「資本金制度」という3つの制度によって、多くの株主(株式会社では出資者のことを株主と呼びます!)が参加しやすい仕組みを採用したため、機関の役割がとても重要となり、又、機関が複雑に分化することになります。

株式会社における機関の分化

より多くの人に参加してもらうためには、会社経営には興味のない、配当や株価にだけ関心があるような人にも参加してもらう必要があります。

会社経営には興味のない、配当や株価にだけ関心があるような人にも参加してもらう……

そのため、「株式会社」では、「出資者」である株主と「経営者」である取締役の資格を分けることにしました。これを「所有と経営の分離」といいます。

しかし、株主は会社経営には興味はなくても、実質的な会社のオーナーですから、会社を運営するに際して、会社の基本的な事項については意見を聞いておく必要があります。そこで、株主の意見を反映させるための仕組みとして、「株主総会」という機関を設置することにしました。

一方で、「所有と経営の分離」をすると、取締役が株主の利益よりも自己の利益を優先した経営を行ってしまう危険が生じます。そこで、取締役を監視するための仕組みとして、「取締役会」「監査役」「会計参与」といった機関を設置できるようにしました。

又、取締役が多数いるような場合、各々が会社代表権や業務執行権を行使してしまうと対外的に混乱が生じる危険があります。そこで、そのような混乱を防止するための仕組みとして、「代表取締役」という機関を設置することにしました。

以上の条件から、中小企業に適した機関設計を考えてみると

  1. 株主総会+取締役(+代表取締役*
  2. 株主総会+取締役+監査役(+代表取締役*
  3. 株主総会+取締役会+会計参与+代表取締役
  4. 株主総会+取締役会+監査役+代表取締役

といった4つのパターンが考えられます。

*取締役が2人以上いる場合は設置することができる。

機関の図

尚、これら以外にも、委員会設置会社のような複雑な機関設計も考えられますが、大会社(=最終事業年度に係る貸借対照表の資本金が5億円以上、又は、負債の部の合計額が200億円以上の株式会社)や公開会社(=株式の譲渡について会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社)でない会社が、わざわざ複雑な機関設計をするメリットはないため、ここでの説明は省略します。

次回は、「株式制度の意義」についてお話ししたいと思います。

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