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今回は、「差別化の先にあるもの」についてお話ししたいと思います。
何のために差別化をしようと思ったのか……
中小企業の経営者であるあなたは、何のために「差別化」をしようと思ったのか覚えているでしょうか?
![覚えているでしょうか?](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=386x10000:format=png/path/sd175ba47308b7fa8/image/i081353082827ed8c/version/1696060631/%E8%A6%9A%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%8B.png)
私自身の意見を述べるならば、差別化が難しい本当の理由は……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その1)でも述べたように、他との違いを(顧客に)提示することを意味する「差別化」の目的は、他社に対して優位なポジションを確立することだと考えています。
そうだとすると、ただ他との違いを顧客に提示するというだけでは十分でなく、その違いに大きな魅力を感じてもらい、顧客に強く支持してもらえるような仕組みが必要になるはずです。
顧客から高い支持を得ることに成功すれば……
前回の中小企業が差別化をしたいと思うなら……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その6)では、「イノベーター理論」を用いて、これまでにない新しさをウリにした「差別化」をする場合、たとえイノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)だけしか反応してくれないとしても、まずは、「差別化」の対象を絞り込むべきだという説明をしました。
しかし、これはアーリーマジョリティ(前期追随者)たちの存在をずっと無視しても問題がないという意味ではなく、資金面で制約の多い中小企業がアーリーマジョリティ(前期追随者)たちを惹きつけるには、それなりの手順を踏む必要があることを示唆したものです。
![順を追って攻略する必要があります!](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=395x10000:format=png/path/sd175ba47308b7fa8/image/i67f82ba5c48f9f87/version/1696060624/%E9%A0%86%E3%82%92%E8%BF%BD%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%94%BB%E7%95%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99.png)
そのため、資金面で制約の多い中小企業であっても、「差別化」の対象を絞り込むことで一定の成果を収めることができた(=対象である顧客から高い支持を得ることに成功した)のなら、アーリーマジョリティ(前期追随者)たちからも注目されるようになるので、もっと多くの人々から支持を得るために対象を広げていくことも選択肢の一つになってきます。
しかし、その段階へ進むためには、顧客と真摯に向き合うことで自分たちが支持されているものが何かを詳細に把握するだけでは足りず、その支持されているものを強化して普遍的な競争力を高めていくことが可能でなければなりません。
なぜなら、イノベーター(革新者)やアーリーアダプター(初期採用者)であれば、機能やデザインの斬新さなどで支持を得ることができますが、アーリーマジョリティ(前期追随者)たちからも支持を得るためには、何かしら購入するに値する価値やメリットがあることを懐疑的な彼らに示さなければならないからです。
![イノベーター理論の図②](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=553x10000:format=png/path/sd175ba47308b7fa8/image/ie780c78f683bbdd0/version/1696148333/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%AE%E5%9B%B3%E2%91%A1.png)
尚、その際には差別化戦略を採用する際には……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その4)でも述べたように、後発企業に「模倣戦略」を採用させないための対策を講じることも必要になります。
一方、「差別化」の対象を絞り込むことで一定の成果を収めることができた(=対象である顧客から高い支持を得ることに成功した)としても、普遍的な競争力を高めていくことが難しいなどの理由で、あえて対象を広げるようなことはしないという選択をすることも当然あり得るでしょう。
その場合、市場が大きく成長することは期待できないでしょうから、そのような状況であっても事業を継続していけるような工夫が必要になります。
次回は、「差別化の見直し」について解説してみたいと思います。
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