差別化戦略を採用する際には……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その4)

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今回は、「差別化戦略VS模倣戦略」についてお話ししたいと思います。

簡単にマネされてしまうようだと……

中小企業の経営者であるあなたは、自社の「差別化」した製品やサービスなどをマネされないような工夫はしているでしょうか?

マネされないような工夫をしていますか?

前回の差別化で失敗しないためには……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その3)でも述べましたが、せっかく「差別化」を行ったとしても、簡単にマネされてしまうようだと、「差別化」は有効に機能しなくなります。

なぜなら、競争優位を実現するために、他との違いを強調した製品やサービスなどを投入したとしても、後から似たような内容の製品やサービスなどが登場してしまうと、肝心な“他との違い”が顧客の目からは埋没してしまい、選択肢としての魅力が著しく低下してしまうからです。

そのため、競争戦略として「差別化」を採用する際(つまり「差別化戦略」を採用する際)には、後発企業「模倣戦略」を採用させないための対策をあらかじめ講じておくことが望ましいのですが、それには、きちんと顧客と向き合い、「差別化」の要点がどこにあるのかを確かめながら、計画的に「差別化」を進めていく必要があります。

後発企業に模倣戦略を採用させないためには……

おそらく、後発企業「模倣戦略」を採用させないための対策として取り組みやすいのは、特許法などの法律を利用した方法でしょう。

「特許法」以外にも「実用新案法」や「意匠法」「商標法」などがあります!

しかし、差別化が難しい本当の理由は……(差別化戦略なんて中小企業ができるのか?その1)でも説明したように、「差別化」の対象は必ずしも販売している製品やサービスそれ自体の品質や機能の良さである必要はないので、「差別化」の内容によっては、特許法などの法律で対処できる範疇を超えてしまうかもしれません。

それに、「差別化」の対象が販売している製品やサービスそれ自体の品質や機能の良さであったとしても、後発企業の能力が自社と同等か格上であるような場合には、特許法などの法律の要件に抵触しないように、別の技術や規格を使って同じような内容を再現されてしまう可能性があります。

このように、特許法などの法律を利用した「模倣させない方法」には限界があるため、そのような危険が予想される場合には、そもそも後発企業が同じような内容を容易に再現できないようにする「模倣できない方法」を検討することが必要です。

例えば、外からは「差別化」に必要な経営資源がどれなのかを特定できないようにしたり、先発企業が「差別化」に必要な経営資源を先に独占したりすることができるのであれば、後発企業は「差別化」に必要となる経営資源を獲得することが難しくなるので、先発企業と同じような内容を再現することができなくなります。

つまり、後発企業が「差別化」に必要な経営資源を簡単には獲得できない状態を意図的に創り出すことができるのであれば、それらを実践することにより、後発企業「模倣戦略」を採用するのを思いとどまらせることができるのです。

模倣できない方法のイメージ図

もちろん、安易に取り組める方法ではありませんが、「差別化」の成功条件を見極めながら、獲得すべき経営資源の性質を考え抜くことができれば道は開けるでしょう。

次回は、「差別化と価格競争」について解説してみたいと思います。

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