従業員のやる気を引き出すには……(中小企業の人材活用術!その6)

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このブログ記事は、2020年1月7日に改題・更新しました。

今回は、「従業員のやる気を引き出す方法」について考えてみたいと思います。

マズローの「欲求階層(段階)説」とは何か?

あなたが経営している会社では、どのように従業員のやる気を引き出しているでしょうか?

従業員のやる気をどのような方法で引き出していますか?

もしかしたら、給与額を高くしたり、福利厚生を見直したりする方法などが頭に浮かんだかもしれませんが、心理学者であるアブラハム・マズローは、これらの方法による効果を否定するような主張をしています。

マズローの「欲求階層(段階)説」では、人類共通の欲求をそれぞれ

1.生理的欲求

(飢えや渇き、睡眠などへの欲求のこと)

2.安全欲求

(安全や秩序のある環境への欲求のこと)

3.所属と愛の欲求

(友人や家族などとの愛情に満ちた関係、所属する集団に仲間として受容されることへの欲求のこと)

4.尊敬と自尊心の欲求

(有能である等の高い評価を他者から受け取ること、自己に対する高い評価を自分自身で確信できることへの欲求のこと)

5.自己実現の欲求

(人が本来持っているものを実現し、より自分自身らしいものになろうとすることへの欲求のこと)

の5つに分類し、これらの欲求の間には、強く喚起する順番について階層的な関係がある(1→2→3→4→5の順番で強く求められる関係になっている)と説明しています。

マズローの欲求階層(段階)説の図

つまり、ある欲求が満たされると、これを刺激するための施策はもはや効果がなくなり、より上位の欲求を刺激するための施策が必要になるということです。

但し、自尊心の欲求や自己実現の欲求については、他の下位の欲求と違い、一時的に満たされることがあるとしても、これらは飽和することがないため、これらの欲求を刺激するための施策は効果が持続すると説明しています。

近代モチベーション論への影響

実は、マズローの説明には抽象的で曖昧なものが多く、又、実証的な証拠も不十分なので心理学の分野から批判されることも多いのですが、従業員が自分の給与に納得していないということは……(中小企業の人材活用術!その4)で説明したフレデリック・ハーズバーグなどの近代モチベーション論の研究者たちに大きな影響を与えました。

そのため、従業員のやる気を引き出すための具体的な方法としては、近代モチベーション論の研究者が挙げている様々な施策がそれらに該当することになります。

例えば、従業員が自分の給与に納得していないということは……(中小企業の人材活用術!その4)で説明したハーズバーグであれば、「動機づけ要因」に働きかけるために、仕事に対する達成感を与えたり、昇進をさせたりすること等で従業員のやる気を引き出すことができると主張しています。

仕事に対する達成感を与えたり、昇進をさせたりすることで、従業員のやる気を引き出すことができる……

ですから、ハーズバーグの主張が正しければ、より困難で目標を達成することが難しい仕事を従業員に任せることで、その従業員のやる気を引き出すことが可能となり、又、その従業員が目標を達成した場合には、昇進という形で報いることで、更に、その従業員のやる気を引き出すことが可能になるのです。

次回は、「経営理念や経営ビジョンの効果」について解説したいと思います。

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