従業員が自分の給与に納得していないということは……(中小企業の人材活用術!その4)

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このブログ記事は、2020年1月6日に改題・更新しました。

今回は、「企業経営における給与の影響」について考えてみたいと思います。

従業員の給与水準は上昇しているが……

あなたが経営している会社では、従業員の給与水準は前年と比べて上昇しているでしょうか?

従業員の給与水準は前年と比べて上昇しているでしょうか?

日本政策金融公庫の総合研究所が2019年2月26日に公表した『中小企業の雇用・賃金に関する調査』(調査時期は2018年12月中旬、調査対象は同社(中小企業事業)取引先企業、有効回答は4,671社[回答率 36.0 %])によると、正社員の給与水準を前年から上昇させた企業割合は、57.4%もあり、前年の54.5%から2.9ポイント上昇しているようです。

一方、あしたのチームが2018年10月23日に公表した中小企業の従業員を対象とする『給与に関する調査』(調査期間は2018年6月18~19日、調査対象は従業員数10人以上300人未満の会社に勤める20~59歳の従業員、有効回答は400人)によると、自身の給与体系に納得していないと回答している中小企業の従業員が61.8%もいるようです。

「衛生要因」と「動機づけ要因」の関係

近代モチベーション論の研究者の一人であるフレデリック・ハーズバーグは、人間の職務満足と職務不満には、「衛生要因」と「動機づけ要因」という相異なる要素が関係していると主張しています。

つまり、人間は「衛生要因」が満たされていないと職務に不満を感じるが、「衛生要因」が満たされたからといって職務に満足するわけではなく、又、「動機づけ要因」が満たされていると職務に満足するが、「動機づけ要因」が満たされていないからといって職務に対する不満を増大させるわけではないのです。

衛生要因と動機づけ要因

実は、冒頭で説明した給与というのは「衛生要因」に該当します。

ですから、先ほどのあしたのチームによる調査の中小企業の従業員の61.8%が自身の給与体系に納得していないというのは、職務に不満を感じている者が多いということであり、条件さえ整えば、いつでも退職してしまう状態にあるということを意味するのです。

経営者であるあなたからすれば、「これ以上、従業員の給与を上げるのは……」という気持ちだとは思いますが、あなたが経営している会社でも従業員が給与体系に納得していないようならば、このままでは従業員に辞められてしまう危険があることは知っておいた方がよいでしょう。

考えられる対策としては、給与以外の「衛生要因」である会社の政策や対人関係、作業条件を改善することなどが挙げられます。

例えば、従業員が働きやすくなるようにフレックスタイム制*を導入すれば、同じ給与であっても、自分のライフスタイルに合わせて働くことができるので、職務に不満を感じる従業員は少なくなるはずです。

*従業員が勤務の始業・終業時刻を自ら決めることができる制度のこと。

尚、いくら「衛生要因」を改善したとしても、従業員の職務に対する満足度を高めることはできません。従業員の職務に対する満足度を高めるためには、別途、「動機づけ要因」に働きかけるための施策が必要になります。

「衛生要因」と「動機づけ要因」のどちらに働きかける施策なのかを考える必要があります!

次回も、「企業経営における給与の影響」について解説したいと思います。

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