浸透価格によって、市場占有率を高めたいのは分かりますが……(中小企業だからこそできる価格戦略!その3)

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このブログ記事は、2020年9月4日に改題・更新しました。

今回は、「上澄み価格」や「浸透価格」について考えてみたいと思います。

上澄み価格とは何か?浸透価格とは何か?

中小企業の経営者であるあなたは、「上澄み価格」や「浸透価格」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

上澄み価格?浸透価格?

ちなみに、上澄み価格とは、投資した資金を早期に回収するため、高めに設定された販売価格のことであり、又、浸透価格とは、自社の商品やサービスの市場占有率を高めるため、低めに設定された販売価格のことです。

もし、上澄み価格による価格設定をするのであれば、それにより高い利益率を確保することが可能になりますが、それを実現するためには他社が容易にマネできないような工夫をする必要があります。

一方、商品やサービスの差別化が難しく、又、市場が価格に敏感で、規模の経済による効果が強く働くような場合には、浸透価格による価格設定をすることでライバル企業を圧倒できる可能性がありますが、このようなことを実際にできるのは上位の数社だけです。

上澄み価格と浸透価格のどちらを選択するべきなのか?

上澄み価格と浸透価格のどちらを選択するべきかを、あえてマイケル・ポーターが唱える3つの競争戦略に当てはめて考えるとしたら、上澄み価格は「差別化戦略」や「差別化集中戦略」と整合し、浸透価格は「コストリーダーシップ戦略」や「コスト集中戦略」と整合すると考えられます。

コストリーダーシップ戦略・差別化戦略・集中戦略と上澄み価格・浸透価格の関係

つまり、差別化によって競争優位を獲得しようと思うのであれば、上澄み価格を選択するべきだし、低コストによって競争優位を獲得しようと思うのであれば、浸透価格を選択するべきだというわけです。

確かに、それなりに差別化できているのなら、わざわざ販売価格を引き下げる必要もないでしょうから、上澄み価格を選択することは合理的だといえます。

しかし、低コストに関しては、それを実現できるのは規模の経済経験曲線の効果を享受できるような企業だけですから、中小企業が浸透価格を選択することは簡単ではありません。

そのため、財務的基盤が弱い中小企業の場合には、上澄み価格を選択するしか方法がないということになりそうですが、それだと、上澄み価格も選択できないような場合には選択肢が無くなってしまいます。

というのも、どれくらい高い販売価格を設定できるのかは差別化の程度に大きく影響を受けるため、そもそも差別化ができないような場合には、上澄み価格を選択することも難しくなってしまうからです。

但し、そのような場合であっても、市場占有率を高めようと安易に浸透価格を選択してしまうと、報復として価格競争を仕掛けられてしまう危険が高くなります。(価格競争が起こってしまえば、いずれにせよ無事では済みません!)

価格競争になれば勝ち目はない……

そうだとすると、財務的基盤が弱い中小企業の場合、選択可能な範囲内で、なるべく高い価格を販売価格として設定するしかない……ということになるでしょう。

次回は、「価格と利益の関係」について解説したいと思います。

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