企業規模が大きくなければ、競争には勝てないのか?

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このブログ記事は、2019年6月24日に改題・更新しました。

今回は、「規模の経済」について解説してみたいと思います。

規模の経済とは?

中小企業の経営者であるあなたは、「規模の経済」という言葉をご存知でしょうか?

規模の経済を簡単に説明すると、生産量(製造業の場合)や取引量(小売業や卸売業の場合)などの規模が大きくなると、単位当たりの平均コストが低下するという現象のことです。

ちなみに、規模の経済によって単位当たりの平均コストが低下するのは、固定費が存在するからです。

規模の経済・不経済

実は、高名な経営学者であるマイケル・ポーターが提唱しているコスト・リーダーシップ戦略(=低価格を武器に競争を勝ち抜こうとする戦略のこと)が成立するのは、この規模の経済の効果や後で説明する経験曲線の効果によって低コストを実現できるという前提があるからです。

もちろん、コスト・リーダーシップ戦略を採用していなくても、市場で競争をしている限り、低コストを実現できることは競争を優位に進めるための強力な武器になります。

規模の経済が理由ではないとすれば……

かつて、“少品種大量生産”が主流だった時代には、規模の経済によって、単位当たりの平均コストが下がるという説明にはかなり説得力がありました。

例えば、貧弱な道具と人力でコツコツ少量ずつ生産するよりも、大量生産できる機械を導入して同じものを大量に生産すれば、単位当たりの平均コストは低下するはずです。

けれども、現在のように“多品種少量生産”が主流になってくると、規模の経済による説明だけでは、単位当たりの平均コストが下がる理由を上手く説明しきれません。

なぜなら、製品の種類がどんどん増えると、全体としての生産量や取引量などの規模がいくら大きくても、それぞれの生産量や取引量などの規模は小さくなってしまうからです。

多品種少量生産になると大量生産する意味が……

それに、製品の種類がどんどん増えると、段取り作業や仕分け作業などの手間が追加で発生するため、単純に、生産量や取引量などの規模が大きくなれば単位当たりの平均コストが低下するとは限りません。

ですから、現在においても、単位当たりの平均コストが下がっているのは、規模の経済以外の別の理由が生じているためという推測が成り立ちます。

そこで、「それは一体何なのか?」ということですが、従業員が学習をすることで作業に対する習熟度が上がるという「経験曲線効果」の影響が大きいのだと考えられます。

つまり、単位当たりの平均コストを引下げている主な要因は、生産量や取引量などの規模の大きさから、従業員の作業に対する習熟度へとシフトしている可能性があるのです。

そうだとすると、現在は、中小企業であっても、大企業といい勝負ができる環境が整いつつあるといえます。

もちろん、人という経営資源はあらゆる経営資源の中でも獲得・維持するためのコストが高く、又、経験曲線効果に影響を与えているのは累積生産量(あるいは累積取引量)なので、中小企業にとって安易に強化できるものではありません。

しかし、生産量や取引量などの規模の大きさで優劣を競うのであれば、中小企業にほとんど勝ち目はありませんが、従業員の作業に対する習熟度で優劣を競うのであれば、工夫次第で中小企業にも勝ち目があるのではないでしょうか?

その工夫をどうするのか?ですが……

次回は、「B to B」と「B to C」についてお話ししたいと思います。

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