決算に関するあなたの常識は正しいか?その6

この度は愛媛県今治市の白石茂義公認会計士・税理士・中小企業診断士事務所のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

前回までは、減価償却や償却計算について、「経営者であるあなたが常識だと思っていることは本当に正しいでしょうか?」ということを中心にお話ししましたので、今回からは『引当金』についてお話ししたいと思います。

もしかしたら、減価償却や償却計算と違って、引当金については、「それがどういうものなのかがよく分からない」という経営者の方もおられるかも知れません。

そこで、引当金について、簡単に解説します。

引当金?

引当金とは、次の4つの要件を満たした場合に、計上されるものです。

  1. 将来の特定の費用又損失に対するものであること
  2. 1.の費用又は損失の発生原因が当期以前の事象にあること
  3. 1.の費用又は損失の発生可能性が高いこと
  4. 1.の費用又は損失の金額を合理的に見積もることができること

かなり簡単に書いたつもりですが、それでも、難しく感じますよね。

そこで、経営者であるあなたに一番馴染みがあるであろう『貸倒引当金』を例にして、説明してみます。

そもそも、『貸倒れ』というのは、売上代金の一部ないしは全部が回収できなくなることをいいます。

そして、『貸倒引当金』というのは、来期に生じるであろう『貸倒れ』について、これを当期において、事前に計上しておこうとするものです。

来期の貸倒れは、将来の特定の費用又は損失に該当しますから、引当金の計上要件の1.を満たします。

そこで、来期の貸倒れの発生の可能性が高く、貸倒れの金額を合理的に見積もることができるのなら、引当金の計上要件の3.と4.も満たすことになります。

そして、引当金の計上要件の2.については、次のように考えます。

来期に貸倒れが生じるのは、当期に、売上を行ったからです。

つまり、来期の貸倒れの発生原因は、当期の売上という事象にあることになります。

ちなみに、来期の貸倒損失を当期に計上するには、貸倒損失ではなく、貸倒引当金繰入という勘定科目で処理する必要があります。

どうでしょうか?

これで、引当金の計上要件の4つがそろうので、当期末の決算にて、『貸倒引当金』を計上するということになります。

尚、当然ですが、引当金として計上するのは、上記の貸倒引当金に限定されません。

すぐに思いつくものだけでも、製品保証引当金、売上割戻引当金、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金など、色々あります。

引当金の計上要件の4つを満たしているのならば、以下のような仕訳をきって計上します。

○○引当金繰入 ×××/○○引当金 ×××

しかし、中小企業の場合、貸倒引当金以外の引当金は、ほとんど計上されません。

次回は、その理由などについて、お話ししたいと思います。

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