決算に関するあなたの常識は正しいか?その4

この度は愛媛県今治市の白石茂義公認会計士・税理士・中小企業診断士事務所のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

今日は、減価償却の影響をキャッシュフロー(以下CF)の観点から説明しようと思っていますが、その1で使った設例をもとに解説をしますので、内容を忘れてしまった方は、お手数ですが、その1から読んでみてください。

それでは、解説を始めますが、今までの話で、通常、法定耐用年数は、使用を予定している年数よりも長い年数に設定されているので、法定耐用年数を使って計算すると、減価償却費が小さく計上され、その分利益が大きくなってしまうことを説明しました。

ここで注目して欲しいのは、決算書の減価償却費を使用予定年数の2年で計算しようと、法定耐用年数の4年で計算しようと、法人税の額は、37.5万円で変わらないことです。

これは、その2でも解説しましたが、税金の計算上は、法定耐用年数を使わなければならないためです。

一方、利益(もうけ)の方は、使用予定年数の2年で計算すると、37.5万円の損失なのに、法定耐用年数の4年で計算すると、212.5万円もの利益が計上されます。

何度も言いますが、本当の利益(もうけ)は、37.5万円の損失の方です。

ですから、税務申告書での調整の手間はかかりますが、使用予定年数で減価償却費を計算するべきなのです。

では、これらのことをCFで見るとどうなるでしょうか?

もしかしたら、経営者であるあなたは、意外と思われたかも知れませんが、減価償却費を使用予定年数の2年で計算しようが、法定耐用年数の4年で計算しようが、CFは全く同じになります。

これは、減価償却費の特性から生じます。

減価償却費は費用ですが、支出(マイナスのCF)は生じません。

支出は、固定資産を取得するための代金を支払った際に生じるからです。

ですから、減価償却費の金額がいくらになろうとも、CFには影響を及ぼさないのです。

そして、あなたは第1期のCFが462.5万円であるのを見て、資金的に余裕があると考えるかも知れません。

でもよく考えてみてください。この設問の場合、第0期に1千万円の支出(マイナスのCF)が生じており、第1期、第2期は、この支出を回収している局面です。

それにも関わらず、支出額の半分の500万円を回収できていない状態なのですから、資金的にはかなり厳しい状態と言えます。

又、中小企業の中には、法人税の額を減らそうと、無駄な経費を使ってしまったりするケースが多いと思います。

しかし、これは資金繰りを悪化させ、会社経営にダメージを与えるだけです。

こちらも当然の話になってしまいますが、税金の支払いを減らそうと、経費を増やすとしても、こちらは支出が伴いますので、CFは悪化するだけです。

37.5万円の税金支払いを回避するために、250万円も無駄遣いする・・・

あまり賢いやり方ではないですよね?

このような判断ミスは、決算書の減価償却費の計算を、法定耐用年数で行っていた場合に、実態以上に利益(もうけ)が計算されてしまうことから生じるものだと考えられます。

このことからも、決算書では、減価償却費を、使用予定年数の2年で計算しなければ、正確な状態を把握できないことはお判り頂けると思います。

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