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今回は、「日本で書店数が減少している理由」について考えてみたいと思います。
新刊の出版点数(=タイトル数)が増えたことで……
2026年6月に新聞各紙が、一般社団法人日本出版インフラセンターの調査によって、2025年度末時点の日本全国における書店数が1万店を下回っていることが判明したと報じていました。
そこで、書店数が減少している原因について少し調べてみたのですが、「電子書籍が台頭して紙の本の市場が縮小している」「ネット書店が登場したことで町の本屋に行く機会が減っている」「これまで稼ぎ頭だった雑誌・コミックの販売が落ち込んでいる」等の様々な意見があるようです。
ただ、私自身の意見を述べるなら、出版社の側が少しでも売上を伸ばそうと、人々の嗜好や興味が多様化したことに合わせて新刊の出版点数(=タイトル数)を増やしたことで、店舗での品揃えの重要性が増したにも関わらず、いつまでも書店の側が従来通りの方法から脱却することができないために苦戦しているのではないかと考えています。
つまり、販売機会を増やしたい出版社や取次のお勧めに従って、次から次へと送られてくる本を短期間で入れ替えてしまうことで、委託販売制度によって書店の側が大量の在庫を抱える危険は回避できているものの、顧客が欲しいと思うタイミングで欲しいと思う本が書店に置いていないことで多額の売り逃しが生じているような気がするのです。
もちろん、顧客からの問い合わせを受けて直ちに本を入荷することができれば、売り逃しの発生をある程度は抑止できるように思いますが、出版社の側も多額の不良在庫が生じる危険を避けたいでしょうから、書店からの追加注文に備えて在庫を常に準備しておくというのは現実的ではないと思いますし、たとえ在庫があったとしても誰かが別便の高い運送料を負担しなければならないという問題もあります。
既刊の本がロングテールになるということは……
さらに厄介なのは、シリーズものが特に顕著だと思うのですが、かなり年数が経ってしまった既刊の本であっても、陳腐化せずに一定数は売れ続ける本が多くあることでしょう。
そのため、売り逃しを発生させたくないのであれば、これらの本についても書店は対応しなければならず、しかも新作が刊行され続ける度に累積して増えていくことになりますから、これらの本で書店の棚がどんどん埋まってしまうことになるわけです。
このように、本はコンテンツとして膨大な数の作品群が、ロングテールが意味するものとは?でも述べたロングテールとなる性質を有しており、電子書籍のように売り場面積の制約を受けないのであれば、これらの本を取り揃えておけば売上増に大きく貢献してくれることになりますが、書店の主力商品である紙の本の場合にはそうはいきません。
確かに、紙の本であっても、ネット書店のように広い面積の倉庫を用意できるのであれば、ロングテールに該当する本を常備しておくことはできますが、電子書籍のように情報を複製するのではなく、あらかじめ製本した本を用意しておかなければならず、しかも、委託期間を超えると買取りが必要になるため、それらが実際に販売されるまでは投入した資金が拘束されることになり、多額の資金がなければ実践することは不可能です。
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