カニバリゼーション(共食い)を回避するには……

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今回は、「カニバリゼーション(共食い)」について解説してみたいと思います。

カニバリゼーション(共食い)とは何か?

中小企業の経営者であるあなたは、「カニバリゼーション(共食い)」というマーケティング用語を聞いたことがあるでしょうか?

カニバリゼーション(共食い)?

カニバリゼーション(共食い)と聞くと何とも恐ろしい感じがするのですが、これは複数の自社製品や自社サービスを開発・販売している場合に、自社の製品やサービスの間で競合状態が生じてしまうことを意味します。

フルライン戦略*を採用しているような大企業であれば、意図的にカニバリゼーション(共食い)を起こすことで競争上有利になる場合もあるのですが、経営資源の乏しい中小企業の場合には、あえてダブリを生じさせるに等しいカニバリゼーション(共食い)を起こすことはできるだけ回避すべきです。

*さまざまな種類の製品を取り揃えることで、競争上有利な立場を確保しようとする競争戦略のこと。

なぜ、カニバリゼーション(共食い)が生じるのか?

例えば、製品Aを100個販売しているX社が、売上増大を意図して製品Bを開発したというような場面を想像してみてください。

X社としては製品Aと製品Bがそれぞれ100個ずつ販売できると予想していたのに、実際には、製品Aが50個、製品Bが50個しか販売できなかったような場合、製品Aと製品Bとの間でカニバリゼーション(共食い)が起きていることが考えられます。

つまり、製品Aの需要50個分が製品Bに食われてしまったと考えることができるのです。

X社と顧客の図

しかも、製品Bの方が製品Aよりも安価である場合には、その分だけ機会損失が生じたことにもなるので、カニバリゼーション(共食い)がX社に与えるダメージはかなり深刻なものになります。

これをアンゾフによる多角化の分類を使って説明してみると、X社は「現在の市場」に「新規の製品」である製品Bを投入して「製品開発戦略」を行ったつもりだったのに、顧客には製品Aも製品Bも同じ顧客ニーズを満たす同じような製品に見えた(「既存の製品」に見えた)ため、実際には「市場浸透戦略」が行われていたということになるわけです。

このような場合、X社が「やろうとしていること」と「実際にやっていること」との間に大きな乖離があるので、X社が意図した成果が得られるはずもなく、ただ経営資源を無駄にしただけ……ということになります。(「市場浸透戦略」を行うのなら、製品開発ではなく、広告宣伝などに経営資源を投入するべきでしょう。)

 更に、これと同じようなことは、下図のアンゾフによる多角化の分類の「市場開発戦略」や「多角化戦略」でも生じる可能性があります。

アンゾフによる多角化の分類

そのため、このような問題を回避するためには、商品ポジショニングやターゲット像を明確にするためにSTP分析をしっかり行うことも大事なのですが、その前提として、“顧客の目線”で状況を正しく捉えられるようにすることが戦略上とても重要になるのです。

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