ボトルネックが分かっていると……

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今回は、「ボトルネック」について解説してみたいと思います。

ボトルネックとは?

中小企業の経営者であるあなたは、「ボトルネック」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ボトルネックを直訳すると“ビンの首”ということになりますが、ボトルネックとはまさにビンの首(=ビンの細くなっている部分)のように“流れを停滞させている部分”のことを指します。

ボトルネック(ビンの首)

例えば、ある工場で製品Xを生産する場合に、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程という連続する四つの工程が必要で、第1工程が100個、第2工程が75個、第3工程が60個、第4工程が100個、1日に処理できるとしたら、工場全体としては、1日に60個までしか製品Xを生産することができないということになります。

つまり、最も処理能力の低い第3工程が製品Xの生産という一連の流れにおけるボトルネックになっているのです。

ちなみに、このようなボトルネックは何も製造業だけで生じるものではありません。

営業活動における見込み客の発掘から受注に至るまでの一連の流れのようなものでも、複数の工程を経ることになりますから、どこかの工程にボトルネックは存在することになります。

ボトルネックは無くせない!

ボトルネックに関して必ず理解しておくべきことは、ボトルネックとなっている工程が全体としての成果の大きさも決めてしまっているということです。

そのため、ボトルネックになっていない工程の能力をいくらアップしたとしてもムダであり、ボトルネックとなっている工程の能力をアップする必要があります。

ボトルネックとなっている工程の能力をアップする必要があります!

先ほどの例であれば、ボトルネックになっている第3工程の処理能力を60個以上処理できるようにアップしなければ、この工場での製品Xの生産量を増やすことはできないということです。

けれども、いくらボトルネックとなっている工程の能力をアップしたとしても、ボトルネックそのものは無くすことができません。

先ほどの例であれば、ボトルネックになっている第3工程の生産能力をアップして100個処理できるようにしたとしても、今度は75個しか処理できない第2工程が新しいボトルネックになります。

尚、新しいボトルネックになった第2工程の生産能力を更にアップして100個処理できるようにすれば、全ての工程の処理能力が100個で並ぶことになりますが、これはボトルネックが無くなったと考えるのではなく、全ての工程がボトルネックになってしまったと考えるべきでしょう。

それに、ビンに“首”の部分があるのは、中に入っているお酒などの液体がドバっと外に飛び出さないようにするためですが、それと同じようにボトルネックにも全体の流れをコントロールするという役割が与えられていると考えることができます。

ボトルネックにも役割はある……

要は“使いよう”ですから、単純にボトルネックを悪いものだと決めつけるべきではありません……

次回は、「カニバリゼーション(共食い)」についてお話ししたいと思います。

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