働き方改革で、生産性を向上させる?

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今回は、「生産性」について解説してみたいと思います。

生産性とは?

近頃、新聞などで「生産性を向上させる必要がある」という提言をよく目にします。

生産性を向上させる必要がある……

特に、日本においては、ブルーカラーの従業員(≒生産現場の労働者のこと)に比べて、ホワイトカラーの従業員(≒管理部門など非現業部門の労働者のこと)の生産性が極端に低いことはよく知られているので、ホワイトカラーの従業員の生産性の向上が日本企業の課題であることは間違いないでしょう。

しかし、中小企業の経営者であるあなたは、この「生産性」という言葉をどれくらい正確に理解できているでしょうか?

ちなみに、生産性*は付加価値額を労働時間で割ることで求められます。

*ここで説明している生産性とは、正確には労働時間当たりの付加価値労働生産性のことを指しています。

尚、付加価値額は経常利益+労務費+人件費+支払利息・割引料-受取利息・配当金+賃借料+租税公課+減価償却費の式で求められますが、個人的にはこれだと少しややこしいので、簡便的に付加価値額を粗利益(売上総利益)で代替しても問題はないと思います。

つまり、生産性は粗利益(売上総利益)÷労働時間の式で簡便的に求めることができるということです。

生産性を向上させるには?

下の図を見れば分かるように、生産性を向上させるには、1.粗利益(売上総利益)を増加させるか、2.労働時間を減少させるか、3.1.と2.のいずれも実行するか、のうちのどれかを行うことが必要になりますが、働き方改革などで提言されているのは、もちろん2.労働時間を減少させることです。

生産性を向上させるには……

確かに、業務の見直しを行い、粗利益(売上総利益)を減少させることなく、無駄な労働時間を減らすことができるのであれば生産性は向上します。

実際、工場などの生産現場などにおいては、無駄な作業の見直しや作業の効率化が頻繁になされ、生産性の向上が行われています。

しかし、管理業務はもちろんのこと、営業や企画などの業務については、そもそも非定型的な業務が多く、又、売上との対応関係もよく分からないものが多いので、どのような業務が無駄なのかは、業務を担当している本人を除いて、簡単には判断しにくいという事情があります。

それに、業務の効率性をあまりにも優先しすぎると、環境の変化に柔軟に対応することが難しくなり、かえって生産性を悪化させる原因になる恐れもあります。

そのため、働き方改革によって闇雲に従業員の労働時間を減らした結果、粗利益(売上総利益)がそれ以上に減少して生産性が悪化してしまった……なんて事態が起こらないとも限りません。

なぜ、労働時間を減らさないといけないのか?

やるからには、きちんとその意味を理解して実行する必要があります。

労働時間を減らすことが目的そのものになっていませんか?

次回は、「ボトルネック」についてお話ししたいと思います。

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