赤字の企業も、外形標準課税で税金発生?

経営者の皆様、いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

さて、2015年11月28日の日経新聞の朝刊で、外形標準課税が取り上げられていました。記事によると、政府は、法人実効税率の引き下げを前倒しで実行することを検討しているようです。

外形標準課税とは、簡単に説明すると、資本金等の金額や、賃金の総額といった、もうけ以外のものを基準にして税額を算出するというものです。

そして、法人事業税に、外形標準課税は導入されています。

法人事業税は、所得割、資本割、付加価値割から構成され、このうち、資本割と付加価値割が外形標準課税部分となります。所得割部分は、もうけに課税がされています。

法人実効税率の引き下げの、真のねらいは株価対策ではないかと個人的には思っていますが、問題なのは、法人実効税率の引き下げは、税収の減少も招くため、このための代りの財源を、外形標準課税の割合を増やすことで確保しようとしていることです。

これは要するに、財源の足りない分を、赤字企業から徴収するということを意味します。

赤字企業にも課税?

確かに、赤字企業の中には、税金の支払いを極端に嫌い、あの手この手で、赤字にしている企業があるため、経営努力をしている企業に恩典を与え、作為的に赤字にしている企業からも税金を徴収するべきだという主張も理解できなくはありません。

しかし、全ての赤字企業が、そのようなことをしているわけではなく、又、外形標準課税の仕組みでは、賃上げをすると、税金支払いが増えてしまうので、今の政府の方針と矛盾するようにも思います。

一方、現行の外形標準課税は、資本金が1億円超の会社を対象としています。

つまり、中小企業については、外形標準課税は適用されていません。

そのため、上述の議論は、ある程度体力がある企業が対象なので、問題はあるにしても、まだ許容範囲のことのようにも思えます。

しかし、今後、このような外形標準課税が中小企業にも適用されるようになると、問題はかなり深刻なものになるでしょう。

一般に、中小企業は不利な競争条件で競争をすることを強いられているという側面もあり、一生懸命に経営努力を行い、結果として赤字になってしまっている企業も多いので、このような企業に税金を課してしまうというのはかなり酷だと思います。

今後、このような外形標準課税が中小企業にも適用されるようになるのかについては、定かではありませんが、財源との兼ね合いで、適用される時が来る可能性がないとは言えません。

もし、そうなった時、経営者の皆様は、どう対応されるのでしょうか?

そういう時こそ、税金の視点からだけの発想ではなく、経営戦略・マーケティング、会計・財務、税務、人事・労務といった総合的な視点からの対策を考えるべきではないでしょうか?

税務の視点だけの発想は、経営判断を誤る危険がありませんか?