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今回は、「合併」が組織の在り方に与える影響についてお話ししたいと思います。
合併とは何か?
中小企業の経営者であるあなたは、これまでに「合併」を経験したことはあるでしょうか?
合併とは、法人格が異なる複数の組織を統合して、法人格が一つの組織に再編する手法のことを指しますが、合併をする側から見ると、自社のみでコツコツと研究開発(R&D)をしていく場合などの手法と比べて、企業成長するのに必要な経営資源を獲得する時間を大幅に短縮できるというメリットがあります。
そして、合併については1+1が2以上になるというシナジー効果が生じるという大きなメリットもありますが、それには「上手く統合できれば……」という条件が付くことになります。
というのも、合併によって生じるシナジー効果は、主に組織の規模が大きくなることによって生じるわけですが、その効果が組織にプラスの影響を及ぼすためには、組織が一つのまとまりとして統制の取れた行動をしていることが前提になるからです。
組織とは単なる人の集まりのことではなく……
そもそも、組織とは何なのか?(中小企業経営者のための組織論入門!その3)でも述べたように、組織が何であるかについては、チェスター・バーナードが「(少なくとも一つ以上の明確な目的のために)二人またはそれ以上の人々の意識的に調整された諸活動または諸力の体系である」と説明しています。
つまり、組織とは単なる人の集まりのことではなく、共通目的を達成しようと参加している人たちが、共に協力して一体として活動できるように、相互に意思疎通できる仕組みが整えられた集まりだということです。
そうだとすると、合併というのは、それぞれ異なる組織に所属していた人たちが共に働くようになることを意味するわけですから、それだけ組織内の調整が難しくなるのは避けられないことであり、それによって組織内の調整にいつまでも手間取っているようだと、せっかくのスケールメリットによる経済効果が打ち消されてしまう事態もあり得ます。
しかし、それぞれ異なる組織に所属していた人たちが共に働くようになるということは、異なる思考の仕方や異なる視点を持つ人たちの間で意見交換をする機会が増えることも意味するわけですから、これを上手く利用することができるのなら、組織内でイノベーションが起こりやすくなり、これまでにない新しい何かを創り出す契機になるはずです。
このように、それぞれ異なる組織に所属していた人たちが共に働くようになることは、合併後の組織に対する脅威にも成り得るし、逆に好機にも成り得るわけですが、どちらに転ぶのかは経営者が自らの役割を果たすことができるかどうかで決まります。
なぜなら、組織を成立させ、存続させるには、道徳的リーダーシップと呼ばれる、(1)組織で働くみんなが魅力的と思える経営理念を創造し、(2)組織で働くみんなの協働意欲を喚起するという役割を経営者がきちんと果たす必要があるからです。
言い換えるなら、経営者の最も重要な役割は道徳的リーダーシップを発揮することであって、これにより組織の垣根を超えた意思疎通を活発にし、一つの組織としてのまとまりを強化することが可能になります。
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