ワーク・ライフ・バランス、単なる労働時間の問題では……(中小企業の人材活用術!その15)

この度は、白石茂義公認会計士事務所のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

今回は、「ワーク・ライフ・バランス」の是非について考えてみたいと思います。

ワーク・ライフ・バランスを直訳すると……

最近、ある人の発言で「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が注目されています。

ワーク・ライフ・バランスを直訳すると、仕事(ワーク)と生活(ライフ)を調和させる(バランス)という意味になりますが、生活をしていくためには仕事をしなければならず、又、仕事を頑張るためには健康的な生活は欠かせないため、わざわざワーク・ライフ・バランスという言葉を持ち出さなくても、おのずと両者は調和するはずです。

本来なら、両者はおのずとバランスするはずなのだが……

しかし、実際には、最近まで生活よりも仕事の方が優先されるべきだという考え方が支配的であった(いわゆるモーレツ社員と呼ばれるような働き方が社会的に奨励されていた)ことから、そのような社会の風潮を是正する必要があるためにワーク・ライフ・バランスという言葉が世の中に浸透してきたのでしょう。

ちなみに、日本政府は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を2007年(平成19年)12月18日に策定しており、その中で社会全体として仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならないと述べています。

必ずしもデメリットばかりであるとは……

企業経営の観点からワーク・ライフ・バランスについて考えてみると、必ずしもデメリットばかりであるとは限りません。

必ずしもデメリットばかりであるとは限りません!

先ほど挙げた「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」においては、仕事と生活の調和の実現に向けた取組みは、人口減少時代において、企業の活力や競争力の源泉である有能な人材の確保・育成・定着の可能性を高めるものであり、特に人材確保が困難な中小企業においては、そのような取組みはコストではなく、明日への投資として捉えるべき性質のものだと述べています。

つまり、ワーク・ライフ・バランスというのは、長時間労働だけを問題にしているのではなく、世の中の変化に合わせた多様な働き方を認めていくことで、企業の活力や競争力の源泉である有能な人材の確保・育成・定着の可能性を高められるものだと提言しているのです。

例えば、勤務時間を柔軟にすることで、これまでは反応してくれなかった優秀な人材が求人募集に手を挙げてくれるようになるかもしれませんし、在宅勤務を容認することで、介護などの理由で退職していた優秀な人材が辞めないで残ってくれるようになるかもしれません。

更に、企業の立場からワーク・ライフ・バランスを実践するためには、業務効率を改善することは避けられませんから、これまで漫然と行っていた業務を見直すことで時間外労働の発生を抑止し、それにより生産性も高められるようになるはずです。

このように、ワーク・ライフ・バランスを導入することは、短期的には企業に損失をもたらすことになるかもしれませんが、長期的には大きな利益をもたらすことになります。

そのため、中小企業の経営者であるあなた自身が、生活を犠牲にしても仕事を優先させるという働き方をするのは自由だと思いますが、今の時代、それを従業員にも同じように求めることは賢い選択ではなさそうです。

賢い選択ではないのかも……

次回は、「働き方の変化への対応」について解説したいと思います。

白石茂義公認会計士事務所では、士業コンシェルジュというコンセプトのもと、特に、愛媛県松山市、今治市、新居浜市、西条市の経営者の皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

必要の際には、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。