銀行員の定期異動が廃止されると……(地方銀行は大丈夫なのか?その8)

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今回は、「銀行員の定期異動」について考えてみたいと思います。

なぜ、銀行は担当者を定期的に異動させているのか?

中小企業の経営者であるあなたは、これまでに「また銀行の担当者が変わったのか?」と思った経験はないでしょうか?

会社のオーナーでもあるあなたと違い、銀行員はサラリーマンですから、行内の辞令に従い、2~3年くらい(長くても5年くらい)で別の支店や本部などへ異動してしまいます。

しかも、通常は異動の辞令が出てから数週間で異動してしまうため、経営者であるあなたが銀行の対応に不安や戸惑いを感じてしまうのも無理はありません。

実は、銀行が担当者を定期的に異動させているのには、担当者と取引先との関係を長期化させないことで、不正の温床になることを防止するというという内部統制上の理由があるのです。

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例えば、銀行員は取引先の預金通帳や証書などを預かったりする機会がありますが、担当者がずっと同じだと、その者が横領などの不正を働いたとしても、不正が発覚しにくいという問題が生じます。

尚、銀行が異動の辞令を出してから数週間で銀行員を異動させているのは、たとえ横領などの不正を働いていたとしても、証拠などを隠ぺいする時間的猶予を与えないためです。

他にも、銀行の担当者と取引先との関係が長期化すると、本来なら融資は難しいと判断すべき案件であっても、いつもお世話になっている取引先の気持ちに応えようとして、担当者が銀行へ虚偽の報告をしてしまう危険が高まります。

銀行が担当者を定期的に異動させていることで……

このように、銀行が担当者を定期的に異動させているのには、それなりに理由があるのですが、経営者であるあなたからすれば、たとえ行内で引き継ぎがされていたとしても、念のため、担当者が異動する度に会社の事情を繰り返し説明しなければならず、又、新しい担当者との信頼関係を一から築かなければならないので大変です。

また最初から……

それに、銀行員も全員が善人とは限りませんから、担当者が変わってしまったことで、「今度の担当者は……」と言いたくなるような人物が後任になってしまった場合には、経営者としては頭を抱えるしかありません。

担当者に問題がある場合の対策としては、その担当者の上司や支店長などに相談してみることが考えられますが、直接、それらの人々へ苦情を申し立てたことで、かえって担当者との関係がギクシャクしてしまう恐れもあります。

そこで、このような銀行員の定期異動を巡る問題について、国としても改める必要があると考えたのかもしれませんが、2019年8月15日に共同通信社が、金融庁が地方銀行などに求めてきた銀行員の定期異動のルールを撤廃し、監督指針見直す予定であると報じています。

銀行員の定期異動がなくなれば、これに代わる不正や癒着を防止する内部統制上の手続きが必要にはなるものの、取引先との関係が長期化することで、担当になった銀行員も取引先である企業をぞんざいに扱うことが難しくなり、より親身な対応を心掛けるようになる可能性があります。

もしかしたら、あなたが経営する会社にも、銀行の担当者が足繁く訪問するようになり、有意義な情報を聞かせてくれるようになるかもしれません……

あなたが経営する会社への担当者の理解も深まるはず……

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