あっ、それ減価償却をしてしまうと……(あなたの減価償却は間違っている?その7)

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今回は、非減価償却資産について考えてみたいと思います。

ストラディバリウスは減価償却できるのか?

少し前になりますが、2019年6月6日の新聞各紙で、ココイチ創業者の資産管理会社が非減価償却資産と判断すべき高価な楽器(ストラディバリウスなど)を減価償却していたと報じていました。

ストラディバリウスは減価償却できるのか?

そもそも、減価償却というのは、“時の経過に応じて価値が減少するもの”に対して適用されるものですから、今回のストラディバリウスのような“時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの”は、減価償却資産として扱うことは許されず、非減価償却資産として扱わなければならないとされています。

尚、美術品等が減価償却資産に該当するかどうかの判定については、税務上は取扱通達などの改正が行われており、平成27年1月1日以後取得する美術品等については新しい取扱いが適用されることになっています。(ちなみに平成27年1月1日より前に取得した美術品等については、減価償却資産に該当するのであれば、平成27年1月1日以後最初に開始する事業年度から減価償却を行うことになります。)

平成27年1月1日以後取得する美術品等については新しい取扱いが適用されます!

改正前の取扱いでは、美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る作品であるか、取得価額が1点20万円(絵画にあっては号当たり2万円)以上であるかによって、美術品等が減価償却資産に該当するかどうかを判定していたのに対し、改正後の取扱いでは、取得価額が1点100万円未満*1である美術品等は原則として減価償却資産に該当し、取得価額が1点100万円以上*2の美術品等は原則として非減価償却資産に該当するものとされています。

*1取得価額が1点100万円未満の美術品等であっても、「時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの」は、非減価償却資産として取扱われます。

*2取得価額が1点100万円以上の美術品等であっても、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」は、減価償却資産として取扱うことができます。

土地は時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの?

美術品等以外にも、非減価償却資産として取扱われる資産の一つに「土地」があります。

バブル経済崩壊前であれば、土地を“時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの”と言われても違和感がなかったと思いますが、バブル経済崩壊後だと、土地の価格が下がることは珍しくないので、土地を“時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの”と言われても違和感があるかもしれません。

土地を“時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの”なの?

会計上であれば、土地を減損処理することで費用化する(但し、有税処理ということになります!)場合もあるのですが、税務上はそのような処理を認めていないので、土地の値下がり分を損金として処理するためには、実際に土地を売却し、売却損として確定させる必要があります。

そう考えると、保有している限り損金として計上することができない美術品等や土地を保有するということは、企業であってもかなり財務的に余裕があるところでなければ難しいということになるのではないでしょうか?

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