与信管理、取引先の危険な兆候をつかんだ時の最も望ましい対応は……(中小企業こそ与信管理が大事!その17)

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今回も、危険な兆候をつかんだ時の対応などについて説明したいと思います。

代理受領という方法!

前回の与信管理、債権回収するには……(中小企業こそ与信管理が大事!その16)では、取引先の危険な兆候をつかんだ後も信用取引を行う場合の債権回収の方法として「債権譲渡」を紹介しましたが、債権譲渡には「債権譲渡禁止の特約」が契約に盛り込まれている場合には利用することができないという問題がありました。

そこで、今回は、債権譲渡禁止の特約がされている場合の対策として「代理受領」を紹介したいと思います。

代理受領とは、取引先が有している売掛金などの債権を受領する権限を委任してもらい、その後、受領した債権の代金を自己の債権の弁済に充てる方法のことです。

代理受領の図

代理受領の場合には、あくまでも債権は譲渡されていないので債権譲渡には当たらず、債権譲渡禁止の特約には抵触しません。又、債権譲渡ではないことから、前回説明した対抗要件を備えるための通知や承諾、登記の必要もありません。

但し、取引先から債権を譲渡されているわけではないので、当該債権が他社に差押えられたりする場合には対抗することができませんし、「相殺」を使える状態だと譲渡される債権そのものが無くなってしまう危険があることは債権譲渡と何ら変わりません。

他にも強力な方法はあるが……

今まで紹介してきた方法以外にも、取引先の危険な兆候をつかんだ後も信用取引を行う場合に債権保全をする方法として、取引先に債権残高を確認させた上で債務弁済契約の公正証書を作成し、これに強制執行認証の文言を公証役場でつけてもらうという方法が考えられます。

この方法であれば、取引先が信用不安に陥って債務不履行が生じた場合であっても、直ちに取引先の資産を強制執行することができるので、かなり強力な方法であるといえます。

公正証書により債権保全を図る方法もある!

けれども、取引先の危険な兆候をつかんだ時の与信管理における最も望ましい対応は、徐々に取引を縮小していき、問題が表面化して不良債権化する前に撤退する(=取引をやめる)ことです。これに勝るものはありません。

どんなに事前に対策を講じていたとしても、債権回収できない危険をゼロにすることはほぼ不可能でしょう。そうであるなら、取引をしないことが最も確実な方法です。

何らかの理由で、取引先の危険な兆候をつかんだ後も取引を継続しなければならないとしても、危険を承知の上で、今までと同じ条件で信用取引を続ける必要性はそんなに高くはないはずです。

そのため、どうしても取引を継続する必要があるというのなら、取引先に現金取引への条件変更を申し出るべきですし、それすらも難しいというのならば、せめて与信限度額を引き下げて、万が一回収不能になったとしても自社が耐えられる範囲内で信用取引をするべきです。

あとで後悔することほど馬鹿らしいものはありませんから!

あの時、取引条件を変更していれば……

次回は、取引先が倒産した場合の対応などについてお話ししたいと思います。

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