短期的視点からの企業経営VS中長期的視点からの企業経営

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このブログ記事は、2019年6月22日に改題・更新しました。

今回は、「短期的視点からの企業経営」と「中長期的視点からの企業経営」の優劣について考えてみたいと思います。

株主の利益を重視するのか?それとも、従業員の利益を重視するのか?

日本がバブル景気に踊っていた頃、「アメリカでは株主の利益を重視した経営が行われているのに対し、日本では従業員の利益を重視した経営が行われている(だから日本企業はスゴイのだ!)」というような議論がよくされていました。

日本企業が優勢だった頃の話ですが……

(株式持ち合いをしているような安定株主を除くと……)株主の多くは企業の業績が下がることを短期的であっても嫌うため、株主の利益を重視するということは「短期的視点から企業経営をする」ということを意味します。

一方、従業員の多くはできるだけ長くその企業で働けるように、長期間に渡って繁盛して欲しいと思っているはずなので、従業員の利益を重視するということは「中長期的視点から企業経営をする」ということを意味します。

つまり、「株主の利益を重視した経営をするのか?」それとも、「従業員の利益を重視した経営をするのか?」という議論は、その背後で「短期的視点から企業経営をするのが望ましいのか?」それとも、「中長期的視点から企業経営をするのが望ましいのか?」という経営観の違いを議論していることにもなるのです。

中長期的視点から企業経営を考える方が優れているのか?

「短期的視点から企業経営をするのが望ましいのか?」それとも、「中長期的視点から企業経営をするのが望ましいのか?」については、おそらく、中小企業の経営者であるあなたは「中長期的視点から企業経営をした方が望ましい」と思っているはずです。

中長期的視点から企業経営をする方が望ましいような……

確かに、短期的視点から企業経営をしてしまうと、将来成長するために必要な研究開発投資などを回避するようになり、企業の成長戦略にマイナスの影響を及ぼすと考えられます。

けれども、現在のアメリカ企業の躍進と日本企業の低迷を見ていると、そのような考え方が本当に正しいのか不安になります。

それに、今思うと、このような経営観の相違がバブル期に生じていたのは、両国間で“会計基準”が大きく異なっていたことが主な原因だったような気がします。(あくまでも私見ですが……)

例えば、当時の日本では原価評価が原則でしたから、不良資産を保有していても、塩漬けにしておけば損失計上を回避することが可能であり、それらに対する経営判断を先送りすることができました。(中長期的視点からの企業経営?)

一方、“会計ビッグバン*”が行われた後の現在では、そのような処理はほとんどの場合で認められないため、粉飾決算でもしない限り、不良資産に対する経営判断を先送りすることができません。(短期的視点からの企業経営?)

*わが国の会計制度を国際的に通用するものにするために行われた会計制度の改革のこと。

会計基準が原因なの?

そうだとすると、「中長期的視点から企業経営をした方が望ましい」と簡単に結論は出せないということになります。

結局、「短期的視点と中長期的視点のどちらも企業経営には必要だ!」というのが、ありきたりですが“正解”ということになるのではないでしょうか?

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