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このブログ記事は、2018年5月11日に改題・更新しました。
今回は、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)について紹介したいと思います。
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントとは?
中小企業の経営者であるあなたは「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」をご存知でしょうか?
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(以下、PPM)とは、縦軸に市場成長率、横軸に相対市場シェアをとって、企業グループで抱えている事業を、それぞれ「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」に当てはめ、最も効率的な資源配分を実現しようとするものです。
![PPM分析の図①](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=493x10000:format=png/path/sd175ba47308b7fa8/image/i7a635a23c43a81cc/version/1586601600/ppm%E5%88%86%E6%9E%90%E3%81%AE%E5%9B%B3%E2%91%A0.png)
尚、PPMが有効であるためには、製品にも生物と同じように寿命があり、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の段階をたどるという“製品ライフサイクル仮説”と、製品の累積生産量が増加すると単位当たりのコストが低下していくという現象を示した“経験曲線”の仮説が有効に成立している必要があります。
PPMは大企業だけのものではない!
もともと、PPMは1970年代における米国のコングロマリット企業に対し、ボストン・コンサルティング・グループというコンサルティング会社が事業再編のための一定の指針を与えるために開発したものであり、多くの米国企業がこぞってこれを採用しました。
けれども、PPMには様々な問題点があり、多くの米国企業がPPMを過信して重要な経営資源を喪失し、衰退を早める結果となってしまったことから、米国ではPPMはもはや過去のものとして扱われているとも聞きます。
![本来は多角化している大企業に指針を与えるためのもの……](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=390x10000:format=png/path/sd175ba47308b7fa8/image/i924aa78db5a11aee/version/1526023460/%E6%9C%AC%E6%9D%A5%E3%81%AF%E5%A4%9A%E8%A7%92%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E5%A4%A7%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AB%E6%8C%87%E9%87%9D%E3%82%92%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%82%E3%81%AE.png)
このように、PPMは多角化が行われている企業グループの再編のためのビジネスフレームワークなので、中小企業の経営とはあまり関係がないようにも思えます。
しかし、中小企業であっても、見方を変えてPPMを上手く使えば、企業経営に役立てることができるのです。
PPMは中小企業の経営者のための指針になり得るか?
中小企業がPPMを利用する場合、自社の事業のポジションがどう推移しているのかを見ることで、今後、どのような戦略を採るべきかの判断の指針にすることができます。
下図を見てください。
![PPM分析の図②](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=517x10000:format=png/path/sd175ba47308b7fa8/image/ic53a4cbad51f451d/version/1586602318/ppm%E5%88%86%E6%9E%90%E3%81%AE%E5%9B%B3%E2%91%A1.png)
ここで、あなたの会社の事業がAのルートをたどっているようならば、経営は比較的上手くいっていると考えられますが、BやCのルートをたどっているようだと何かしらの対策が必要になります。
特に、Cのルートの場合には、余程のことが起きなければ逆転は難しいはずです。
経営者であるあなたの気持ちは分かりますが、できるだけ早く撤退の決断をしなければ、やがては撤退する体力すらなくなり、最悪の事態が待ち構えているだけです。
それに、Bのルートでも、逆転の可能性を徹底的に、かつ、シビアに検討しなければなりません。もはや逆転の見込みがないようであれば、この場合も早期に撤退の決断をする必要があるでしょう。
ぐずぐずしていると、すぐにCのルートに入り込んでしまいます。
あと、中小企業の場合だと、市場成長率などをあまり考慮せずに事業を選択してしまうことがあるために、D(最初から負け犬)を選択してしまう可能性もあります。
この場合、最初から負けることを選んでいるようなものですから、撤退する以外には道はありません。
ここまで説明すると、事業を継続できるルートが意外に少ないことに気がつかれたかと思いますが、残念なことにこれが現実です。
さて、あなたの会社は事業を継続できるルートを無事進んでいるでしょうか?
次回は、VRIO分析について解説したいと思います。
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