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このブログ記事は、2018年9月10日に改題・更新しました。
今回は、「タテとヨコの視点」について解説してみたいと思います。
タテの視点とは?ヨコの視点とは?
いきなりタテとヨコの視点といわれても、中小企業の経営者であるあなたには何のことだか分からないでしょうから、まずはタテの視点とヨコの視点が何を意味するのかを説明します。
ここでタテの視点というのは、1年間というように定められている会計期間のことを指します。一方、ヨコの視点というのは、例えば、機械Xへの設備投資をして、A製品を製造・販売するといったような個々のプロジェクトの始めから終わりまでの期間のことを指します。
1年以内という短期で儲けを把握しようとする場合と1年を超える長期で儲けを把握しようとする場合の違い!
1年以内という短期で儲けを把握しようとする場合、収入と支出の差額から儲けを把握するには無理があります。
なぜなら、支出とそれに対応する収入が別の会計期間に生じるような場合であれば、それらを対応させて計算することができないからです。
このような場合には、財務会計のように収益と費用を使い、期間損益計算によって儲けを把握する必要があります。
一方、1年を超える長期で儲けを把握しようとする場合、収入と支出の差額から儲けを把握することには何ら問題がありません。
なぜなら、支出とそれに対応する収入が別の会計期間に生じるような場合であっても、対象となる全ての会計期間を合算するので、結局はそれらを対応させて計算することが可能になるからです。
それに、1年を超える長期で儲けを把握しようとする場合、何らかの方法で時間価値を計算に反映させるべきであり、収入と支出がそれぞれ生じた時点で把握した方が正確な計算が可能になります。
タテとヨコの視点、管理会計の場合には……
管理会計の場合、財務会計とは違って、1年以内という短期で儲けを把握する場合もあれば、1年を超える長期で儲けを把握する場合もあるので、タテの視点で計算を行うケースとヨコの視点で計算を行うケースの両方のパターンが生じることになります。
しかも、管理会計の場合、財務会計のように企業全体として儲けを把握するだけでなく、個々のプロジェクトごとに儲けを把握することもあるので、タテの視点で計算を行うケースについては、タテの視点だけで計算を行うケースとタテの視点をベースにしながらヨコの視点も組み合わせるというケースの2つのパターンがそれぞれ生じます。
具体的には、タテの視点だけで計算を行うケースには予算管理などがあり、タテの視点をベースにしながらヨコの視点も組み合わせるというケースには新規注文の引受可否の判断をするものなどがあります。
このように、管理会計は計算のベースとなる期間に対する捉え方ですら一つには固定されていません。
そのため、部門別管理や予算管理だけが管理会計の役割ではない……(管理会計のワナ!その1)でも説明したように、その時々の状況に応じて、目的に応じた計算をするためにはどのような視点から期間を捉えるべきなのかをしっかりと考える必要があります。
次回は、「予算管理」についてお話ししたいと思います。
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