下請けの立場から抜け出すために必要なものとは何か?(弱者の戦略!その2)

この度は、白石茂義公認会計士事務所のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

このブログ記事は、2018年3月4日に改題・更新しました。

今回は、下請けの立場から抜け出すのには何が必要か?について考えてみたいと思います。

下請けの立場から抜け出すのに絶対必要なもの?

いきなりですが、中小企業の経営者であるあなたに質問します。

下請けの立場から抜け出すために、絶対必要なものって何だと思いますか?

自社製品?自社ブランド?

そうですね。特にB to Cに転向しようと考えているなら、自社製品や自社ブランドはあった方がいいですよね。でも、B to Bのままで良いと思っているなら、自社製品や自社ブランドは必ずしも必要ではないかもしれません。

それでは、下請けの立場から抜け出すために絶対必要なものとは?

それは複数の顧客(=複数の取引先)です。

実は、先ほど説明した「自社製品」や「自社ブランド」は、この「複数の顧客」を獲得するための手段のひとつであるという関係にあります。

ですから、たとえ自社製品や自社ブランドが無くても、複数の顧客を獲得する手段が他にあるのなら、それを使って下請けの立場から抜け出すことができるでしょうし、いくら自社製品や自社ブランドがあったとしても、それが複数の顧客を獲得するのに役立たないのなら、それらは無用の長物でしかありません。

単に顧客を獲得するだけではダメ!

間違えないで欲しいのは、下請けの立場から抜け出すために絶対必要なものは“複数の”顧客でなければならないという点です。

なぜなら、あなたが下請けの立場に不満を感じているのは「親事業者との取引形態」に対してではなく「親事業者との力関係」に対してだからです。

取引形態に不満を感じているのか?それとも、力関係に不満を感じているのか?

例えば、あなたが今までの親事業者に変わる新しい顧客を獲得したとしても他の顧客が複数存在しなければ、結局は獲得した新しい顧客に依存するしかなく、今までと同じ弱い立場であることは何も変わりません。

そのため、直ぐには難しいとしても、なるべく早く、複数の顧客を獲得する必要があります。業種業態によって多少幅はありますが、それでもB to Bを前提にするなら、同じぐらいの取引規模の顧客が20社から25社ぐらいは欲しいところです。(B to Cに転向するなら、顧客一人当たりの購入量が少ないのでもっと必要なるでしょう。)

それぐらいの数の顧客がいれば、1社当たりの影響力はとても小さくなるので、強気で取引条件の見直しを要求できるようになるはずですし、いざとなれば「取引を断る」という選択をすることも可能になるはずですから、相手との力関係に変化が生じるでしょう。

「取引を断る」という選択肢を持つことで、強気の交渉が可能になります!

もちろん、新規の顧客を多数獲得することは簡単ではありませんが、絶対に無理ということはないはずです。

「やる」「やらない」はあなた自身が決めることですが、やろうとしなければ下請けの立場から抜け出すことはできません。

そう考えると、下請けの立場から抜け出すため本当に必要なものとは「どんな困難にも立ち向かう強い気持ち」なのかもしれませんね。

次回は、下請けの立場でいることのメリット・デメリットについて解説したいと思います。

白石茂義公認会計士事務所では、士業コンシェルジュというコンセプトのもと、特に、愛媛県松山市、今治市、新居浜市、西条市の経営者の皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

必要の際には、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。