デジタルの方がアナログよりも優れているのか?

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今回は、「アナログ」と「デジタル」について考えてみたいと思います。

アナログとは何か?デジタルとは何か?

中小企業の経営者であるあなたは、「アナログ=劣っている」「デジタル=優れている」と単純に考えていないでしょうか?

確かに、世の中ではアナログが劣っているもの、デジタルが優れているものという暗黙の解釈の下で話題にされていることが多いように思いますが、アナログやデジタルといった用語の本来の意味を考えるとそれは明らかに違います。

実は、アナログとは情報を連続した値として扱っているものを指し、デジタルとは情報を離散した値として扱っているものを指した用語です。

分かりやすい例としては、アナログ表示の時計や温度計などが必ずしもキリがいい数値だけでなく、その間のキリの悪い数値も表すことができるのに対し、デジタル表示の時計や温度計などはキリがいい数値だけしか表さないことが挙げられます。

アナログ表示とデジタル表示

そして、自然界に存在する情報の多くはアナログの状態であることが一般的です。

世間一般でデジタルの方がアナログよりも優れているとイメージされているのは……

このように、アナログとデジタルは対比されやすい用語ではあるのですが、それでも世間一般でイメージされているように、デジタルの方がアナログよりも優れているという単純な関係にはありません。

それなのに、世間一般でデジタルの方がアナログよりも優れているとイメージされているのは、(量子コンピューターは違うようですが……)従来のコンピューターが「0か1か」というデジタルの形で計算などの処理を行っているため、情報をデジタル化することができるかどうかが重視されているからだと想像されます。

つまり、デジタル化することでコンピューターによる自動処理や高速処理ができるようになると、それらは優れているというイメージを人々にもたらし、反対に未だデジタル化できないものについては、これまで通り手間がかかるので劣っているというイメージを人々にもたらすことから、上述したような誤解を生んでいるのだと推察できるのです。

誤解しているだけ?

もちろん、デジタル化することでコンピューターによる自動処理や高速処理ができれば、非常に大きなメリットをもたらすことは間違いありませんが、それでも、このようなアナログやデジタルのイメージは本来の用語の意味とはかけ離れているので、これらは正しい使い方に修正する必要があると思います。

例えば、デジタル人材といった用語は、これまで属人的に行っていた業務をコンピューターによる自動処理や高速処理ができるように、業務を定式化することができる人材といった感じの意味になるはずですから、単純にIT(厳密にはICT)などの知識が豊富であったり、プログラミングができたりすることは本質的に求められる能力ではなく、業務を定式化できるように曖昧さを排除していく能力こそが本質的に求められているはずです。

それなのに、多くの人がデジタル人材という用語を従来の「IT人材」とほぼ同義の用語として使用しているように思えます。(私だけなのかもしれませんが……)

そうだとすると、わざわざIT人材をデジタル人材などと言い換える必要などないのに、ただ新しそうな印象を受けるという理由だけで、多くの人がデジタル人材という用語を誤って使用しているということになるでしょう……

曖昧さを美徳と考える日本人も多いが……

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