融資を成功させるには戦略が必要?(上手に資金調達しよう!その7)

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今回も、前回に引き続き、融資を成功させるための戦略などについて解説してみたいと思います。

戦略なく、融資の依頼をするとどうなるか?

戦略がない融資の依頼とは、例えば、次のようなものです。

まず、資金繰りなどの計画を立てていないので、直前まで必要な資金の額が把握できておらず、かなりヤバイ状況になってから慌てて銀行に駆け込む。

そして、資金が足りないこと以外はほとんど状況を把握できていないので、ただ銀行に早く融資をしてくれと泣きつくばかりで、銀行側からの質問に満足に答えられない。(答えられたとしても、適当な返事であることが、銀行側にもスグに分かってしまう。)

行き当たりばったりで、考えなし……

このような場合であっても、債務者区分や銀行格付けが、銀行が要求する水準よりも高ければ融資に応じてもらえる可能性はありますが(もちろん、低ければ融資には応じてもらえません!)、それでも、銀行側の不信を招くことで、決裁が下りるまでに時間がかかり、又、必要額には届かない金額しか融資をしてもらえない可能性が高くなるでしょう。

そうなると、必要額には届かない金額しか融資してもらっていないので、慢性的に運転資金が不足し、予定通りに利息の支払いや元本の返済ができなくなり、それによって債務者区分や銀行格付けが引き下げられてしまう……という最悪の事態に陥る危険が高まります。

これが、融資を成功させる戦略です!

一方、融資を成功させる戦略とは、次のようなものです。

  1. 自分の会社の債務者区分や銀行格付けがどれくらいに位置しているかをおおよそ把握し、どれくらいまでなら融資してもらえるかを事前に予測しておく。
  2. できるだけ詳細な資金計画を立て、将来どれくらい資金が不足するのかを事前にシミュレーションしておく。
  3. 上記1.と2.の情報を照らし合わせて、現在の自分の会社の置かれた状況で問題が生じないかを検証する。(問題が生じるようなら、何度も計画を見直し、問題なしと判断できるようになるまで調整する。)
  4. 融資条件を少しでも有利にするために、少なくとも半年以上をかけて決算書対策などを行い、事業計画の見通しなどについても、銀行側に十分な説明ができるようにした上で融資の依頼を行う。
  5. 融資依頼後に、銀行から事業計画の見直しなどを求められた場合、銀行側からの指摘を真摯に受け止め、協調姿勢を見せる。(銀行のいいなりになる必要はありませんが、対決姿勢をとっても得になることは一つもありません。)

どうでしょうか?

このような、戦略に従った行動をすることで、その後の、利息の支払いや元本の返済が無理なく行えるようになり、更には、債務者区分や銀行格付けをアップさせていくことに繋がっていきます。

融資を成功させる戦略のフロー

もちろん、「言うは易く 行うは難し」と反論したくなる気持ちは分かります。

けれども、戦略なく融資の依頼をして、その後、ずっとお金に苦労するのと、大変だけれども、戦略に従った行動をして、お金に関する心配から解放されるのと、どちらがマシなのかを考えれば、そのような反論に意味がないことは分かるのではないでしょうか?

苦労するなら、どっちがマシ?

次回は、決算書対策などについてお話ししたいと思います。

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