パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)?

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このブログ記事は、2018年8月8日に改題・更新しました。

今回は、「パレートの法則」について解説してみたいと思います。

パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)とは?

中小企業の経営者であるあなたは、「パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)」というのをご存知でしょうか?

パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)というのは、簡単に説明すると、経済学者のパレートという人が発見した上位約20%の高額所得者が全体の約80%の所得を占めているという所得分布に関する経験則のことです。

実は、この上位約20%が全体の約80%を占めるという現象は、所得分布だけでなくビジネスの分野でも多くみられることが分かっています。

例えば、売上高が多い順に顧客を並べていくと、上位の約20%の顧客の売上高が全体の売上高の約80%を占めていたり、売上高の多い順に商品を並べていくと、上位の約20%の商品の売上高が全体の売上高の約80%を占めていたりすることがよく知られています。

パレートの法則の図

そのため、このような関係性に注目すれば、売上高を効率的に増加させるには、まずは上位約20%の顧客や商品に注力していくべきであるという結論が導かれることになります。

パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)はどこまで使えるのか?

このように、パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)は、上位の約20%に入るかどうかで対応を変えるべきであることを示唆しているわけですが、同時に、さまざまな誤解も生んでいます。

その内、最も大きな誤解は上位の約20%に入らなかった残りの約80%を切り捨ててしまっても構わないというものです。

パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)に従えば、下位の約80%の顧客や商品が全体の売上高へ与える影響は約20%だけということになりますが、実際に重要性が低いと思われている約80%を切り捨ててしまうと、全体の売上高へ与える影響はおそらく20%ぐらいでは収まりません。

なぜなら、重要性が低いと思われている下位の約80%の顧客や商品の存在が、上位の約20%の顧客や商品の売上高に何らかの形で影響を与えていることは容易に想像できるからです。

それに、あくまでもパレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)そのものはこれまでのデータから得られた経験則でしかなく、「なぜ、上位約20%が全体の約80%を占めるのか?」という疑問に対しては、合理的な理由を示してはくれません。

「なぜ、上位約20%が全体の約80%を占めるのか?」という理由についてはよく分かっていません!

そのため、パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)には理論的な説得力がほとんどなく、パレートの法則(20対80の法則もしくは80対20の法則)を根拠にしたアドバイスついては、どこまで信用できるのかをよく考える必要があるでしょう。

それらしく聞こえるものほど、実は注意が必要……ということです。

次回は、「先発企業」と「後発企業」についてお話ししたいと思います。

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