中古の高級外車を使った節税方法?

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このブログ記事は、2017年5月11日に改題・更新しました。

今回は、中古の高級外車を購入するという節税方法の是非について解説したいと思います。

中にはよく考えてみなければならない節税方法も……

あなたが経営している会社では、節税をしているでしょうか?

税金は経費のようなものですから、節税をすることで少しでも税金を安くできるのならばそれに越したことはありません。

経営者の中にはどうやって節税しようかと、本業そっちのけでそのことばかり考えている人もいるぐらいです。 

ただ、それでも、中にはよく考えてみなければならない節税方法もあるのではないでしょうか?

節税というのは、きちんと税法に則って、税金を安くしようとする行為です!

例えば、法人税に関する節税方法の一つに、4年落ちの中古の高級外車を購入するという節税方法があります。(結構、有名ですよね……)

4年落ちの中古車の場合、償却年数を計算すると……

(6年-4年)+4年×20%=2年(1年未満切捨て)というように、償却年数は2年になりますが、定率法を採用した場合には償却率は1.000となります。

つまり、残存価格の1円を残し、実質1年で償却できる?ということです。

更に、中古の高級外車は値崩れしにくいので、車の取得に要した資金も後で回収できる?とされています。

けれども、わずかでも高級外車が必要だ!というようなケースなら話は別ですが、そんなものは全く必要としていないのであれば、あまり賢い節税方法ではなさそうです。 

中古の高級外車を購入するという節税方法の問題点

まず、上述のような節税スキームを利用するのは、かなり利益が大きくなりそうだと予想できるようになってからでしょうから、期末付近のどこかでしょう。

そうなると、減価償却費も月数按分が必要になるので、購入した期には一部しか損金計上できません。 

次に、過去にはフェラーリについて損金算入が認められた事例もありますが、法人税法上、対象となる高級外車について減価償却資産や損金としての計上が認められるためには、高級外車の事業における使用の必要性をきちんと説明できなければなりません。

2ドアであろうが、4ドアであろうが、必要性を説明できなければ否認されてしまいます。 

2ドアだとダメだけど、4ドアならOKという根拠は何?

最後に、中古の高級外車は値崩れしにくいとしても、買った時よりも売る時の価格の方が低いのが普通だと思います。(中古車業者はその差額で商売しているのだから当然でしょう。)

そうだとしたら、時には投機的な利益が生じるとしても、ほとんどの場合には全額回収するのは難しく、回収できなかった分が無駄使いということにはならないでしょうか?

それに、そのような中古の高級外車に関する車庫代や保険料などの維持費もバカになりません。

以上のことから、中古の高級外車など全く必要としていないのに、節税のためだけに購入するというのは、もう一度考え直した方がいいのではないかと思います。

利益の全てが税金として徴収されるというわけではないのですから、無駄遣いをせずに素直に税金を払った方が結局は安くつくのではないでしょうか? 

次回は、法人契約の生命保険を使った節税方法の是非についてお話ししたいと思います。

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