資金使途と融資方法の関係はどうなっているのか?(融資のキホンの基本!その6)

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このブログ記事は、2017年11月3日に改題・更新しました。

今回は、資金使途と融資方法の関係について考えてみたいと思います。

資金使途をきちんと答えられますか?

経営者であるあなたは、融資の申込みをする際、銀行などの金融機関の担当者に資金使途を聞かれたらきちんと答えることができるでしょうか?

資金使途をきちんと答えられますか?

「とにかくお金が足りなくなるからだよ!」と答えたいあなたの気持ちは分かりますが、資金使途が赤字によって生じた資金不足の補填だったりすると、貸したお金が返済されない危険がとても高くなるため、「貸したお金を一体何に使うのか?」というのは、お金を貸す側からすれば非常に気になるものです。

ですから、融資を成功させるためにも、資金使途はきちんと説明できなければなりません。

尚、銀行などの金融機関が融資に応じてくれる資金使途には、大きく分けて「運転資金」と「設備資金」の2種類がありますが、更に、運転資金については、

・「経常(所要)運転資金*」に係るもの

・「運転資金の増加」に係るもの

・「季節変動」に係るもの

・「納税資金や賞与の支払い」に係るもの

などに区分できます。

*企業が事業を継続するために必要となる立替金のようなものであり、売上債権+棚卸資産-仕入債務によって、その額を求めることができます。

短期継続融資(いわゆるコロガシ状態)は是か非か?

銀行などの金融機関が融資をする方法にはいろいろありますが、中小企業については、通常、返済期間が1年以内の融資であれば「手形貸付」が選択され、返済期間が1年を超えるような融資であれば「証書貸付」が選択されることになります。

手形貸付や証書貸付の他にも、当座貸越や手形割引などがあります!

上述の資金使途のうち、季節変動に係るもの、納税資金や賞与の支払いに係るものについては手形貸付により融資が行われ、設備資金については証書貸付により融資が行われることについては、それぞれ異論はないかと思います。

問題になるのは、経常(所要)運転資金に係るものと運転資金の増加に係るものについてです。これらは短期の資金使途に該当しますが、事業を継続している限り(もしくは、運転資金の増加が続いている限り)ずっと必要なものでもあるため、これらを自己資金によって賄えるようになるまでは、手形貸付による短期継続融資(いわゆるコロガシ状態)を続けなければなりません。

ただ、金融庁の金融機関に対する検査が厳格化していくに従い、この“短期継続融資”が正常債権に対するものなのか?それとも、貸出条件緩和債権(=不良債権)なのか?が問題視されるようになり、業績が順調である企業を除いて、銀行などの金融機関は短期継続融資を敬遠する(証書貸付に切り替えたり、資金を引き上げたりする)ようになっていました。

短期継続融資(いわゆるコロガシ状態)のイメージ

そのような中、2018年夏に検査局を廃止して業務を監督局に統合すること、そして、2018年度終了後をめどに金融検査マニュアルが廃止されることが金融庁から発表されました。

今後、短期継続融資をどのように取扱うのかについては、個々の金融機関の裁量に任せられるようになるとは思いますが、さて、どうなるでしょうか……

次回は、担保について解説したいと思います。

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