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このブログ記事は、2017年4月15日に更新しました。
今回は、「戦略は組織に従う」という命題についてお話ししたいと思います。
戦略は組織に従う?それとも、組織は戦略に従う?
中小企業の経営者であるあなたは、「戦略は組織に従う」というのを聞いたことがあるでしょうか?
これは、イゴール・アンゾフという人が指摘したものですが、前回解説した組織は戦略に従う。と真逆のことを言っているので、何だか心配になりますよね。

でも、大丈夫です。これらは矛盾しません。
なぜなら、これらはそれぞれ見ている側面が違うからです。
戦略は組織に従うとは?
「組織は戦略に従う」の場合と違って、「戦略は組織に従う」の場合には、戦略と組織の間に、「組織文化(企業文化)」という概念を挟んで理解しなければなりません。
組織文化(企業文化)というのは、組織内にいる人々が相互に影響を及ぼしながら日常的に活動を行っていると、やがて、彼らの間に共通の信念や考え方のパターンのようなものが形成され、共有されるようになるのですが、そのような共有される信念や考え方のようなものをいいます。
複数の会社にお勤めになったことがある人なら、それぞれの会社ごとに、その会社独自の暗黙のルールのようなものを感じたことがあるのではないでしょうか?
それこそが、組織文化(企業文化)です。
つまり、「戦略は組織に従う」というのは、組織で形成される組織文化(企業文化)によって、立案される経営戦略の内容は影響を受けるということです。

中小企業の場合には……
経営戦略はトップの経営者が採択し、決定するものです。
更に、中小企業(特に、小規模事業者)で経営戦略を立案する場合には、経営者自身が立案そのものを担当するケースが多いでしょうから、経営戦略に経営者の考えや判断が大企業よりも強く反映されているはずです。
そのため、そのような中小企業では、「戦略は組織に従う」という指摘は、大企業のように意識しなくてもいいのかも知れません。
しかし、だからといって、経営戦略に従って行動する従業員の意向を全く無視することはできないのではないでしょうか?
例えば、保守的な思考が根強く支配している組織では、経営者であるあなたが、いくら革新的な戦略を皆に提示したとしても、従業員があなたの意に沿った行動をするとは考えらえません。
表面的には、あなたの意向に沿っているように見せかけ、実際には、あれこれ言い訳をして、ちっとも行動しない……
どうですか?心当たりはないですか?

ですから、中小企業であっても(むしろ、中小企業だからこそ)、組織で形成される組織文化(企業文化)の影響力を無視することはできないのです。
「急がば回れ」です!
次回は、組織の内的均衡について解説したいと思います。
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