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今日は、『事業承継』について、お話ししたいと思います。
私のブログでも、『事業承継』のテーマは何度も取り上げているのですが、どうも世間で騒がれている『事業承継』問題は、論点がズレている気がしてなりません。
世間で騒がれている『事業承継』問題というのは、相続税(贈与税)問題ないしは後継者不足問題です。

確かに、これらが重要な問題であることには、私も異論はありません。
事業承継に関して、相続税(贈与税)が発生してしまうことが、事業承継を困難にしているという側面はあるでしょうし、後を継いでくれる子供たちが少なくなったことも、事業承継を難しくしている原因でしょう。
ただ、これらは、会社の持分(つまり株式)の承継のみにスポットを当てた議論なのです。
それよりも、問題なのは、事業の価値の源泉が明らかにされないまま、一緒くたに、無為に消失させていることの方です。
いかに、そのような事業の価値の源泉を明らかにして、それらを次世代に引き継いでいくのか?ということが、事業承継の本質だと思うのです。
これは、逆の観点から見ると、いかに多くの経営者の方たちが、自分の『会社の強み』が何なのかを理解しないまま、ズルズルと経営を続けてしまっていることを証明していることにもなると思います。
これでは、後継者とされる側も不安になるのは当たり前です。
社会も新陳代謝をしています。
常に、新しいものになり続けることで、社会は健全性を保ち、永続的に活動を続けられるのです。
厳しい言い方になりますが、価値が無くなったものが消えていくからこそ、新しいものが生まれる余地が与えられるのです。
価値がないものが、そのまま残り続けるのなら、世の中は混雑するばかりで、効率が非常に悪くなります。

それは、会社も同じはずです。
まだ価値のある大事な部分を残しつつも、価値がなくなった古い部分はそぎ落としていくことで、時代に対応し、発展を続けられるのです。
経営者が変わるというのは、残すべきものと、捨てるべきものを選択する、絶好の機会でもあります。
無差別に、何でもかんでも引き継いでいくと、やがては時代に対応できなくなり、時代遅れのものとなります。
そう考えると、どうも世間で騒がれている『事業承継』問題は、論点がズレている気がして、残念でならないのです。
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