税務会計の決算書は、経営判断に利用できない?その2

経営者の皆様、いつも私のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

前回は、ほとんどの中小企業は、税務会計しかしていないということを解説しました。

今回は、ほとんどの中小企業では、税務会計しか行われていないという証拠について解説します。

税務会計しか行われていないという証拠というと、誰かを疑っているようで、何だか変な感じがしますが、特にそういうわけではありません。

多くの経営者の方たちは、自分たちのやっている会計が、税務会計であるという自覚がないのだろうと思います。

中小企業の場合には、経理については、会計事務所に丸投げのケースも珍しくはないでしょうし、自計化している会社であっても、細かな判断は会計事務所に頼りっぱなしという会社は多いと思われます。

そのため、そもそも、自分たちの会社がどのような会計をしているかなど考えることもないのでしょう。

けれども、今日の私のブログを読んだ後は、『自分の会社の会計がどのような会計なのか?』を意識するようにすべきです。

税務会計だけ・・・本当?

では、税務会計しか行われていない証拠について解説したいと思いますので、経営者の皆様は、ご自分の会社の法人税の申告書をお手元にご用意ください。

ご用意できましたら、それぞれの申告書の右端の上部のところに縦書きで別表○○と書かれていますので、別表四と書かれている申告書を取り出して見てください。

どうでしょうか?

別表四の、総額と書かれている列と留保と書かれている列について、どれくらいの部分に金額が書き込まれているでしょうか?

ほとんどの部分が空白ではないですか?

それが、税務会計しか行われていない証拠となります。

きちんと財務会計をしている会社であれば、かなりの部分に金額が書き込まれます。

なぜなら、別表四というのは、財務会計で作成された決算書から、税務申告書を作成するための調整表だからです。

別表四にほとんど記載がないということは、税務申告書を作成するための調整がほとんどない、つまり、最初から税務会計で作成されているということを意味します。

「でも、多少なりとも、金額が記入されている部分があるということは、調整がされているのでは?」と思われた経営者の方もおられると思います。

もう一度、別表四を見てください。

金額が入っているのは、金額が入っている行の一番左の区分の記載が、「損金の額に算入した法人税」とか、「納税充当金から支出した事業税等の金額」とか、税金関係の調整を思わせるようなものではないですか?

もしくは、総額の列に金額が入っている場合に、社外流出と書かれている列にも同じ金額が入っていませんか?

これらは、厳密には、私の説明している、財務会計の決算書から税務申告書を作成するための調整には該当しません。

税務申告書を作成するためには、どうしても発生してしまう調整であり、財務会計をしていなくても発生してしまう調整です。

別表四の調整には、財務会計をしているために生じる調整と、財務会計をしていなくても生じる調整があります!

納得いただけましたでしょうか?

次回は、財務会計から税務申告書を作成するための調整について解説します。