税務会計の決算書は、経営判断に利用できない?その1

経営者の皆様、いつも私のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

以前、中小企業の決算書は、経営判断に利用できない?というタイトルで、6回にわたり『税務会計では、経営判断は出来ない!』という趣旨の解説をさせて頂いたのですが、今回から数回にわたり、同じ趣旨ではありますが、今度は違う角度から解説していこうと思います。

何卒、宜しくお願い致します。

中小企業は税務会計しかやっていない・・・

中小企業の場合、ほとんどの会社が税務会計しか行われていません。

経営者の皆様に、何よりもまずご理解して頂きたいのは、この点です。

ですが、そもそも『税務会計』とは何?とおっしゃる経営者の方もおられるでしょうから、簡単にご説明いたします。

会計は、その目的によって、大きく三つに分類されます。

一つ目、株主や債権者などの外部の関係者に、会社の財務状況を伝える財務会計

二つ目、経営者に、会社の財務状況を伝える管理会計

三つ目、(法人税等の)正しい税額を算出するための税務会計

つまり、多くの中小企業では、(法人税等の)正しい税額を算出するための会計しか行っていないことになります。

会社の財務状況を把握するためには、財務会計や管理会計を行わなければなりませんが、これらをやっていないわけです。

しかし、一方で、最近では、これら税務会計のサービスを提供している人たちが、自分たちのサービスの付加価値を高めるために、これらを財務分析や経営判断のための資料として利用しませんか?と勧めています。

勧めている人たちが、そもそも税務会計と財務会計や管理会計の区別がついていないのか、そんなことは分かっていながらやっているのかは、私には判断できません。

しかし、何度も言いますが、税務会計は、(法人税等の)正しい税額を算出する以外には、利用することはできません。

税務会計で作成された決算書を、銀行員の方が、融資の判断などに利用する場合、当然、正しい状況を把握できないのですから、意思決定を誤る危険は高くなるでしょう。

きちんとした判断をするためには、会社に、財務会計により決算書を作成することを要請しないといけません。

ただ、財務会計で決算書をつくるためには、税務の専門家というだけでは足りません。

最低でも、経営と会計の両方の深い知識がなければ作成はできません。

このような専門家を、銀行員の方が確保するのは難しいのかも知れませんが・・・

又、税務会計で作成された決算書を、経営者の方が、会社の経営判断に利用する場合、当然、正しい状況を把握できないのですから、意思決定を誤る危険は高くなるでしょう。

きちんとした判断をするためには、管理会計により決算書を作り直す必要があります。

ただ、管理会計の決算書をつくるためには、やはり、経営と会計の両方の専門家でなければ作成は難しいでしょう。それ以外の人に依頼しても、きちんとしたものが出てくる可能性は低いと思います。

しかも、経営者自身が、その決算書が経営判断に利用できるものになったかを判断することが難しいでしょうから、最初から、別の、経営と会計の両方の専門家に依頼した方が無難です。

会計の経営判断に対する利用価値は、ますます高まっています。

会計の経営判断に対する利用価値は、ますます高まっています。

しかし、こうした会計(財務会計や管理会計)の作成をアドバイスできる専門家は、経営者の方が思うより、ずっと少ないのです。

経営者の皆様、あなたの会社が今後も生き残れるかどうかは、このような人物を見つけ出させるかどうかにかかっているのかも知れません。

次回は、中小企業では税務会計しか行われていないという証拠について解説します。