差別化戦略なんて、中小企業が出来るのか?その4

追記:続、差別化戦略なんて、中小企業が出来るのか?を書きましたので、こちらも読んでみください。

前回は、差別化集中戦略によると、対象とする市場の範囲が広げられないということを解説しました。

今回は、このことについて、視点を変えて解説したいと思います。

まず、顧客の質という側面から説明したいと思います。

エレベット・M・ロジャースという人が提唱したイノベーター理論というものがあるのですが、これは新しい商品が販売された場合の顧客の種類を、これらを購入する態度によって分類したもので、図に示すと以下のようになります。

エベレット・M・ロジャースのイノベーター理論の図

まず、新しいものが出ると、真っ先に飛びつく人達がイノベーターと呼ばれ、全体の2.5%を占めます。

次に、流行に敏感な人達がアーリーアダプターと呼ばれ、全体の13.5%を占めます。

そして、流行には慎重だが、平均よりは早く、新しいものを取り入れるアーリーマジョリティと呼ばれる人達が全体の34.0%を占め、平均よりは遅く、新しいものを取り入れるレイトマジョリティと呼ばれる人達が全体の34.0%を占めます。

最後に、最も保守的な人達がラガードと呼ばれ、全体の16.0%を占めます。

このように考えるのは私だけではないと思うのですが、私は、差別化集中戦略(ないしは差別化戦略)というのは、上述の顧客のうち、イノベーターとアーリーアダプターを対象とした戦略だと考えています。

アーリーマジョリティまで含めてしまうと、当初に作った差別化要因だけでは希薄化してしまい、何かしらの手当をしないと参入防壁が決壊して、たちまち価格競争に陥ってしまうからです。

イノベーターとアーリーアダプターを合わせても、全体の16%しかいません。このような人達を対象に商売をするわけですから、対象とする市場は大きくなるわけがありません。

 

次に、市場が小さいということは、大きな資本を投入して参入することが難しいことを意味します。そのため、ライバル企業が参入しようとせず、差別化による参入防壁にあまり気を使わなくてよく、競争を心配しなくてもよい可能性があるということにもなるのです。 

中小企業の場合、大企業などと違い、小さな資本で商売をしている会社が多いでしょうから、小さな市場でも採算がとれる可能性があるでしょう。

そこで、小さすぎて誰も入ってこられないニッチな市場を見つけることができれば、競争を回避し、商売を成功させることが可能になります。(もちろん、ニーズのある商品・サービスの販売であることが前提ですよ!)

私の知る限り、中小企業で成功している事例では、このようなケースが多いです。

差別化が成功する要因は、どう差別化するか?ではなく、どうすれば競争しなくてもよいか?にあると思います。

しかし、良いことばかりとは限りません。

イノベーターやアーリーアダプターと呼ばれる人達は、流行に敏感で、移り気な人達でもあるのです。彼らを長い間、自社が対象とする市場に留めるには、何かしらの手立てが必要でしょうから、コストが発生します。そして、このようなコストは時の経過に応じて増加するでしょう。つまり、現行のままでは採算がとれなくなってくるのです。

次回は、このあたりのことについて解説したいと思います。