中小企業の決算書は、経営判断に利用できない?その1

中小企業の経営者の皆様、本当に決算書を使って経営状況を把握できていますか?

 

上の私の質問は、決算書が読めますか?ということではありません。

「中小企業の経営者の皆様の使っている決算書では、どう頑張っても、経営状況を把握することなんて出来ませんよ!」と言っているのです。

それどころか、会計から得られる経営管理のためのデータも、本当に経営管理に使えるかどうかは怪しいというのが私の意見です。


それはなぜか?

その説明の前に、会計の本来のあり方を図に示すと以下のようになります。

会計の本来のあり方を示した図

上図のように、会計には、財務会計、税務会計、管理会計の3つがあり、決算書は財務会計を通して作成され、税務申告書は税務会計を通して作成され、経営管理のためのデータは管理会計を通して作成されます。

しかし、私の知る限り、99%の中小企業では、上図ではなく下図のような会計になっています。

中小企業で行われている会計の図

どうでしょうか?

本来、財務会計によって作成される決算書や、管理会計によって作成される経営管理のためのデータが、税務会計一本で作成されています。

このようにして作成された決算書や経営管理のためのデータが、本来の役割を果たすでしょうか?

 

では、なぜこんなことになっているのか?

理由は簡単です。いちいち財務会計で決算書を作成したり、管理会計で経営管理のためのデータを作成するのがめんどくさいから・・・

 

中小企業であっても、税務申告書はきちんと作成しなければ、税務署は許してはくれません。だから、税務会計は絶対にしないといけません。

しかし、決算書は金融機関がチェックするくらいで、(財務会計的にはおかしな決算書であっても)税務会計で作成した決算書でOKが出るので、わざわざ、財務会計で決算書を作成したりしないのです。

管理会計にいたっては、外部に出すものではないので、それほど気にも留めないのでしょう。

 

けれども、中小企業の経営者の皆様が、決算書や経営管理のためのデータを、会社の経営判断に利用するためには、それらを財務会計や管理会計で作成しなければ、それらは全く意味のない情報しか示さないものとなってしまうのです。

 

次回は、どれぐらい意味のない情報になってしまうのかを、簡単な設例を使って説明したいと思います。